訳あり不動産の例。カミソリ地とは?

2020年01月16日

こんにちは!TAISHIN THSです!

 

今回は、よくある訳あり不動産についてのお話しをします!

一見すると、利便性も良く、優良物件であるにもかかわらず、

見た目ではわからない訳ありの物件であることがあります。

 

実際にある訳あり不動産取引の例、【カミソリ地】をご紹介します!

 

 

申し分のない良物件に見えるものの・・・・

 

角地で交通の便も良く、建物の構造もしっかりした住宅。立地もロケーションもよく、おおきな駐車スペースもある土地でした。

 

建物や、室内の間取りも勿論大事なのですが、まず、住宅を探されているお客様の多くが気にされるのが、「ロケーション」だと思います。

 

学校区は何処か?家から駅は近いか?主要な近くの道路が狭くないか?近所に病院や、生活必需品を揃えられる店舗があるか?などです。つまり、生活していくうえで不自由がないかどうかです。

 

それに加え、子育て世代の方であれば、学校区のことなども考慮されるはずです。

 

先ずは、ご自分が求めるロケーションの中から予算にあった物件を探すことになるので、通常は、その後に土地や間取りのことを考えるはずです。

 

いくら建物が良くても、ロケーションが悪ければやはり人気はありません。

そのぶん価格もお安くはなりますが。。。。そして、その逆なら価格が高くなりますよね。

 

ロケーション、物件の間取り、価格、これらの条件を高いレベルで満たしているにも関わらず、何かの理由の為、買う方の条件が限定されてしまうこともあります。

 

条件さえ合えば、良物件を本来よりもかなり安い相場で手に入れることも可能です。

ただ、訳ありは訳ありです。

それなりの理由があるのです。

 

 

敷地内に他人の土地が・・・・

 

建物を一見すると、外見上は何の問題もなく思えますが、土地と建物の所有者が別だったり、一つの土地が幾つかの土地に分けられていることが不動産ではよくあります。

 

それ自体は別段珍しいことではありません。

 

どんな物件でもお預かりする前に物件の調査を実施します。調べてみて初めて明るみになる事も多いのです。

今回、この物件の謄本をあげさせて頂いたところ、一つの土地に複数の所有者がいることがわかりました。

 

この土地の場合、前面道路の接道部分(土地が道路に接する部分幅約50㎝ほど)が、細長く他人の土地になっていたのです。

前面道路に接する部分、幅約50㎝の細長い部分が分譲した開発業者の所有になっていました。

そのまま住むことは可能でも、登記を移転しなければ住宅ローンを組むことができません。業者に連絡して登記を移転してもらう必要があります。

 

 

不動産取引である事例【カミソリ地】って何?

 

 

敷地と道路の間に、水路の名残りであったり、隣地間に高低差があるなど。また、境界の承諾が取れないために、実務上の理由からカミソリ状に分筆されている、または、土地(田んぼや畑など)を分譲用宅地として開発する場合に、分譲地内に道路を造りますが、

 

その道路に接する他の未開発の土地所有者が勝手に開発できないように、この道路部分の端をカミソリ状に分筆しておき、開発業者が所有権を持っておくことなどがかつてあったようです。


他の土地所有者がこの道路を延長、拡張しようとしても開発者の【カミソリ地】があるために事実上工事ができません。

 

この【カミソリ地】の所有者は、土地を使用、収益化することができませんが、所有する開発業者からすれば、他の土地所有者に対し土地の売却交渉の強みとする意味合いもあったりしたそうです。

 

泉南 中古物件

カミソリ地があることで「敷地との接道が取れない」など、利用が制限され物件価格に大きく影響してしまうこともあります。

ただこのカミソリ地ですが、所有者と交渉して買い取ることができれば問題はありません。

 

しかし今回の、この物件の場合【カミソリ地】を所有している業者が既に倒産しており、連絡を取ることができませんでした。

そのため、結局のところ登記を移転することができず、このお客様に住宅ローンを通すことができなかったのです。

敷地内に未登記の土地や建物があったり、違う名義の登記があった場合住宅ローンを組むことができません。

 

ただこの物件も現金では購入することが可能です。

しかも、ほかの同じような物件よりも、相場も格安。

そのお客様は、ローンが通らなかったために、家の購入を諦めることになりました。

 

やはり人気物件となったものの

 

実際に現地を見に来られたお客様も何人かおられ、この物件を気に入られ、「購入したい」までは行きますが、

しかし、現金でのみの購入が条件です。

 

通常なら楽にローンが通るようなお若い方で、お仕事でも安定した収入を得られていても、この物件にローンを通すのは無理です。

やはり、現金で住宅を購入するようなお客様は限られています。

 

逆に、現金をポンッと出せるお客様だと、もうワンランク上の物件を考えられるかもしれません。

 

最終的に買ったのは

次々に興味を示すお客様はいるものの、なかなか購入するまでにはいたりません。

 

そうこうしているうちに、同じくこの物件の購入を考えていたお隣の所有者さんが、現金を用意されて成約されました。

 

事故物件や、訳あり物件もそうですが、見た目にはわからない理由で、他の同じような物件と比べて価格が大きく違うこともあります。

 

「訳あり」が気にならず、条件さえ整えば、本来なら手が出ないような高額な物件でも安く手に入れることもある。ということです。

訳ありだからとはいえ、必ずしも悪い物件ばかりとは限りません。

 

 

価値観や視点をずらせば、思わぬ良物件に出会えることもあるかもしれませんよね。